大きな大きな岩の塊


それを二つに分かつ大きな川


そこにあるのは強き生命





   二次試験・4 〜ゆで卵〜







会場内に入るとメンチに判定をもらうべく、長蛇の列を受験生達が作っているのが見えた。

がそれを一瞥して流し台に戻ると、ゴンが声をかけてきた。

「あ、!何処に行ってたの?」

「外」

「なんで?」

「なんとなく」

一本調子のに横でそれを聞いていたキルアが心の中で突っ込んだのは言うまでもない。

はそんなことも知らずに流し台によりかかった。

レオリオが”よぉし、もう一度だぁ”と勢いよく振り向いたその時

「悪ぃ!!お腹いっぱいになっちった!」

というメンチの試験終了の合図が聞こえてきた。

勢いよくずっこけるレオリオ。

「大丈夫?レオリオ」

ゴンが声をかける。

「あ、ああ」

全然、大丈夫そうじゃない。

「しかし、これで終了ということは合格者はだけか?」

クラピカが冷静にそう言う。

以外の二人に衝撃が走った。

「それじゃ困るよ!」

「ああ、冗談じゃねぇ」

「阿呆くさ」

最後のはキルアだ。

はそんな四人を見て、次にメンチの周りでギャラリーを作っている受験生達に目を向けた。

どうやら呆然と言った感じだ。

はひとつ大きなため息をついた。






「とにかく、あたしの結論は変わらないわ!!二次試験合格者は1よ!!!」

そう言ったメンチは携帯電話を切った。

どうやら、電源自体を切ったようだ。

は255のプレートを付けた男に目を向けると無言で会場を後にした。

「(五月蝿いのは御免、ましてその場に居るなんてのは以ての外)」

外に出ると会場の外壁に背を預けて何処からか取り出した分厚い本をめくり始めた。

一次試験のときのものとは別の本のようだ。

暫く捲っていると、頭上で窓ガラスが割れる音が聞こえそれから一拍置いて目線の先に255番の男が落ちてきた。

それには一瞥をくれると本を閉じて何処かへ仕舞った。

そして腕を組むとその状況を傍観し始める。

他の受験生やらがどよどよと外に出てきた。

その間をメンチが歩み進んでいく。

君って本当に協調性がないんだね◆」

ヒソカがいつのまにかの横に立っている。

相変わらずその顔には笑みを浮かべて。

「ヒソカ・・・・あんたにそれ言われたくないわよ」

そう言っては大きなため息をついた。

丁度そのときだった。

「それにしても、合格者1はちと厳しくはありゃせんか?」

スピーカーから聞こえてくる老父の声。

頭上にはハンター協会のマークを付けた飛行船。

どうやら、審査委員会本部が動いたようだ。

飛行船から老父が落ちてきた、いや、飛び降りてきた。

話を聞いていると、どうやら彼が審査委員会会長のネテロだそうだ。

「ククク、会長さんのお出ましかな?ボクちょっと行ってくるよ」

「どこによ」

「直に当てられるところ

「・・・・・・飛ばしすぎなさんなよ」

「わかってるよ

じゃ、と短く言ってヒソカは人ごみの中に紛れていった。

飛ばす飛ばさないの元になっているものは殺気。

「(絶対、死んでも治らないわね、あれは)」

そんなことを思いながら先がどうなるのか耳を傾けた。





話を聞き終わるとどうやら試験をやり直すそうだ。

ということは、の合格も帳消し。

もう一度受けることになる。

「(・・・・めんど・・・・・・)」

そんなことを思いながら飛行船に乗り込んだ。






「あ、も受けるの?」

真っ先に聞いてきたのはゴン。

は表情を変えずに答える。

「やり直すというのだから受けるわ」

「そっかぁ」

「実演、見たほうがいいでしょ?」

「あ、そうだね、ちゃんと見とかなきゃ」

ゴンはにへへと笑って、メンチの実演に目を向けた。

そのメンチはというと、ブーツを脱いで素足になるとお先にと言って崖の下へ飛び降りていった。

「「「「「「えええぇぇぇーーーーーー!?」」」」」」

受験生たちが驚いていると、ネテロが説明をする。

「マフタツ山に生息するクモワシの卵をとりに言ったんじゃよ。クモワシは陸の獣から卵を守るため谷の間に丈夫な糸を張りそこに卵を吊るしておく。
 その糸に上手く掴まり、卵を一つとり、もどってくるんじゃよ」

そうネテロが説明し終わるのと同時ぐらいにメンチがひょっこり姿を現した。

「この卵でゆで卵を作るのよ」

それを聞いて、顔を青ざめる受験生は少なくはない。

そんななか、ゴン、キルア、クラピカ、レオリオの四人は元気よく飛び降りて行った。

「(わたしも行きますか)」

もそれに続く。

谷の上からただ身体を傾けて頭から落ちていく。

そして、糸との身体がすれ違った瞬間、膝を曲げて糸に足を掛けた。

そうして、ぶら下がったままの状態で腕を伸ばし卵を一つとる。

先に下りていたゴンやキルアたちは谷をよじ登ろうとしているところだった。

は、その体制のまま身体に反動を付けずに身体を宙に浮かせると、上手い具合に糸の上に立ちあがった。

そして、その糸の上をヒールを履いているにもかかわらずスタスタと走っていく。

岩壁の数メートル手前まで来たところで、は左足を踏み込むと、そのまま岩壁のちょっとしたつっかえを利用してひょいひょいと登っていった。

途中でゴンたち四人を追い越す。

四人はそれに驚きの言葉を漏らす。

「うわぁ、凄い!ね、キルア、クラピカ、レオリオ」

「ゴンの言うとおり、よくあんなヒールで登れんな。糸の上走ってるだけでも驚愕だぜ?」

「もう、上についてしまっている、本当に驚きだな、一次試験のときといい」

「俺にその体力をくれ」

若干一命違うことを言っているが・・・。

は糸のところから数えて六歩程度で谷の上についた。

そして、そこに用意してある鍋に卵を入れる。

「どうじゃ、受験番号49番、試験の方は?」

することも済ませたにネテロが話しかけてきた。

だが・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「受験番号49番」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「受験番号49番」

それに漸く気づいて振り向く。

「ん?わたしか」

「(噂以上じゃの)そうじゃ、君じゃよ。どうじゃ、試験の方は?」

「・・・・・面倒だわ」

「ほっほっほっ、そうか、そうか」

なぜそこで笑い出すのかにはさっぱりわからなかったが、食えない爺さんだということはなんとなくわかった。

暫くすると、ゴンや他の受験生達も戻ってきたようで、いつのまにか鍋を囲んでゆで卵が出来るのを待っている状態だった。

数分後メンチが用意してあった市販の卵と食べ比べてみるようにと受験生達を促した。

そこここから、”美味い”の一言が飛び交っている。

ゴンが例の如くの元へよって来る。

はもう食べた?」

「ええ」

「美味しかったよね!俺あんなに美味しいゆで卵食べたの初めてだよ!は?」

「・・・久しぶりに食べたわ。やっぱり半年に一度は食べに行かないといけないわね」

そう言っては顎に手をやって考えるような仕草をした。

「え!?食べたことあるの?」

「ええ、これを料理している店を一件知っているのよ」

それにもゴンは驚いた。

「じゃぁ、今度、俺に紹介してよ、そのお店!」

はそれに一瞬目を見開いたが、すぐに柔らかい笑みを作った。

「今度ね。奢ってあげるわ」

「やったぁ!」

「あ、俺も」

飛び入り参加のキルア。

それにもは柔らかく微笑んで承諾の意を示す。

心なしか、二人の顔は微妙に赤らんで見えた。

だが、それがなぜなのか、の知るところではない。



 第二次試験後半、メンチのメニュー、42名が合格。



飛行船の入り口をゴン、キルアの後ろについて歩いていたはふとその二人の後姿を見ながら思った。

「(なぜ、わたしあんなこと言ったのかしら。いつものわたしらしくもないわ)」

頭をうつ伏せていると、後ろを歩いていたクラピカとレオリオに声をかけられた。

、どうかしたのか?」

「どっか調子でも悪くしたか?」

が振り向く。

「・・・・何も」

そう言って直ぐに前を歩き始めたの目がどこか寂しげだったのを二人は見逃さなかった。









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ああ、もう!(何)なぜにこんな無駄が目立つのじゃ(何だよ
そりゃ、文才がないからですよね、はい、わかってますわ
抑揚のなさげな文ですみません・・・・どうも地が出てしまうようで;
以後気をつけます。
ここまで読んでくださって有難うございました。


閉じてください。






















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