安らぎは何処へ

暗き闇へ

深閑なる闇へ








     三次試験待ち 〜安らぎ〜







「ねぇ、!飛行船の中探検しない?キルアも一緒なんだけど」

「疲れたから遠慮しておくわ、二人でいってらっしゃい」

「そう?じゃ、キルア行こう!」

「ああ、まずは操縦室へ行こうぜ」

そう言って駆けていく二人をは目を細めて見送った。

背中が見えなくなるのを確認すると踵を返す。

だが、直ぐ目の前にレオリオとクラピカがいたため先へ進むことはなかった。

、聞きたいことがあるんだ、いいか?」

「わたしの素性についてかしら?」

「ああ」

クラピカが簡潔に述べる。

レオリオは横でそれを見ていたが、意図はクラピカと同じようだった。

は表情を変えずに言う。

「別に構わないけど、詳しいことは全員揃ってからの方がいいから(というか同じこと話すのは面倒)・・・簡単なことしか話さないわよ」

「それで構わない」

はため息を一つついて一度、目を閉じるとゆっくりその目を開きながら言った。

「わたしの名は、

「「!?」」

クラピカとレオリオが声を上げると、目の前にはいなかった。

はっとして後ろを振り向くと、廊下の向う、カーブし始める地点にの背中を確認する。

20mは先に進んでいたにレオリオとクラピカは唖然としながら、驚愕しながらただ見つめるだけだった。






が暫く歩いていると向かいからメンチが歩いてきた。

それに気づくと向うも気づいた様で小走りに駆け寄ってくる。

じゃない!あ、そうだ、来て」

そう言ってメンチはの承諾も待たずに手をとって歩き始めた。

「(何なの・・・・)」

はメンチが成すがまま従う。

すると暫くして一つの扉の前でとまった。

メンチがの手を引きながらその扉に入っていくとそこにはブハラとサトツの姿が。

「あれ?メンチ、トイレに言ったんじゃなかったんだっけ?」

「途中であったのよ、ね!

「・・・・・ええ」

そう言うをメンチが”さ、座りなさい”などと言ってソファに勧めた。

勧められるままはソファに腰を掛ける。

その横にメンチが腰掛けた。

「実は二つ聞きたいことがあったのよ」

そう言ってメンチが話を切り出した。

は横に座るメンチを振り向いて言葉の内容を促す。

「一つ目ね、って、家の人なの?」

メンチは足を組みながらどっかり座って問う。

「ええ。と言ったわよね、わたし」

淡々と述べるにメンチはそうなんだけどさ、と言ってテーブルの上にあったカップに手を伸ばした。

「二つ目は、これ」

そう言ってメンチは二次試験の折、がメンチに渡した紙を取り出した。

は小首をかしげる。

「それが何か?」

「最初もらったとき赤く光ってたのに貰ってちょっと経ったら消えたわ。これ、念よね。なぜそんなものが?」

がそれを聞いて一つ息を吐くのを確認すると二人のやり取りをを今まで聞いていたサトツが代わりに口を開いた。

ブハラは変わらず聞いているだけだ。

「それはわたしがお話しましょう、メンチさん」

そのことに、メンチは意外そうにサトツを振り返った。

「え?サトツさん知ってるの?ていうか、と知り合い?」

「過去にいろいろありましてね。それより、彼女はもう休ませた方がいいでしょう。まだ試験はあることですし」

そう言ってサトツはメンチに微笑んだ。

はサトツに目で”どうも”と軽い感じで礼を述べる。

サトツもそれに目で”いいえ”と答えた。

「それもそうね、詳しくは試験終了後にでも聞こうかしら」

何か納得するメンチを置いて、サトツがに声をかけた。

「行っていいですよ」

「・・・・・失礼」

短く言っては部屋を後にした。

少し扉から遠ざかったところで後ろの方からメンチの”ええーーーー!?”という大きな声が聞こえてきたが。










呼ばれて後ろを振り向くとそこにいたのは変装したままのイルミだった。

「何?」

「いや、別に。ただ呼んだだけ」

「・・・・そう」

言って踵を返し歩き始める

その後ろを着いていくイルミ。

、冷たい」

「イルミほどじゃないと思うわ」

「そうかな?」

「そうよ」

なんて淡々とした会話なんだろう・・・

その間にも二人は通路を進む。

そこには足音一つも響かない。

暫く無言のまま進んでいると、受験生達がいる広間に出た。

整った容姿の娘の後ろに針をぶすぶす刺した奇妙な男が歩いているのを見て気にならないやつなんていなかった。

先行く二人からどうしても視線が外せない。

そんな二人、というか、は目的の場所まで周りには見向きもせず歩を進めそして足を止めた。

それに合わせてイルミも足を止める。

「やあ◆どうしたんだい二人とも

足を止めた先に居たのはヒソカ。

「どうもしないわよ」

そう言うとはヒソカの横に腰を下ろした。

イルミもカタカタ言い(?)ながらの横に腰を下ろす。

「・・・・大分、お疲れのようだねぇ

座ってから俯きっぱなしのを暫く見てヒソカがそう言葉を発する。

「そうね」

否定もせずにそう受け答える。

そして、は曲げた両足を両手で抱えながらそこに頭を埋めた。

「そんなに大変だったかい?」

「試験じゃないわ」

「405番の子かな?」

「わからない・・・わからないわ」

そう言うとは大きな溜息をついた。

「そう◆」

ヒソカがそう言ったあと、が徐に顔を上げる。

「ヒソカ・・・・肩、借りるわよ」

「ああ、いいよ

が身体を傾けてヒソカの肩を枕代わりにする。

頭を預けたまま口を開く。

「わたしが起きるまでそこに居てね、ギタラクル」

「わかった」

そこまで注文すると気が済んだのかはその目を閉じた。

暫くすると規則的な寝息が聞こえてくる。

それを確認するとイルミが口を開いた。

って変わってるよね。俺達みたいなのに囲まれてなんて寝ないよ、普通」

「昔、聞いたんだけどさ、落ち着くんだって◆」

「落ち着く?」

「そいっそ何も見えないくらいの闇の方が落ち着くらしい本人もよくわからないらしいけどね

「ふ〜ん」

は寂しがりやさんだから

「の割には一人でいることを好むよね」

「いろいろなのさ◆君ももう少しと付き合ってみればわかるよ

「ふ〜ん、わかった。・・・そういえばさ、ヒソカってとはいつからの付き合いなの?」

「秘密

「・・・・・・」

一頻り話すと二人はの寝顔を見て、それからが起きるまでずっと無言だった。



















 青い、蒼い月が出ていた。

 満月だった。

  『君が、だね名前なんていうの?』

  『・・・・・

  『歳幾つ?』
  
  『10・・違うわ、今日で11』

  『見えないねボクと同じくらいかと思った

  『よく言われる』

  『傷、痛むかい?』

  『古傷が開いただけだから・・・慣れてる』

  『そうかい?・・・・・・そうだ、君ボクと友達になりなよ◆』

  『友達・・・・?』

  『そう

  『捨て駒としての友達?殺り合うための友達?それとも上辺だけの友達?』

  『普通の友達だよ話をしたり、取り止めもないことをするんだ

 その時のそいつの目は本気だった。
 
 仕事を始めたときに話していたときの雰囲気はどこか嘘を言っている目をしていたけど、その時は本気だった。

 わたしの甘い考えが、弱い考えがそう思わせたのかもしれないけど、だけど、それは本気だったのよ。

 だから、わたしは・・・・

  『いいよ』

  『ボクは気まぐれだから切り捨てるかもしれないよ◆それでもいいのかい?』

  『可笑しなことを聞くのね。あなたから言ったんじゃない。それに、切り捨てるのはわたしかもしれないわ』

  『ククク、それもそうだねそれじゃ、取りあえず今からボクのところに来なよその傷、手当てしてあげるから

  『うん。でも、待って先に始末して来る』

  『誰を?』

  『依頼主と依頼主の情報』

  『じゃ、ボクも一緒に行こうかないいだろ?』
 
  『友達、だからね』

 その時はわたしは実に6年ぶりに笑った。

 自然に出た。

 そうしたら、向うも今までの怪しい笑いではないどこか優しげなそんな笑いを浮かべていた。

 空にはまだまだ沈みそうもない月が浮かんでいた。

 蒼い、青い月が・・・
















   わたしが安らぎを感じるのは、わたしと同じ闇を持った人

   そう、わたしと同じ闇を持った人

   それはわたしの甘えかもしれないし、思い込みなのかもしれないけど

   それでも、わたしはそう思い込むことで
 
   そこに安らぎを求める、留める

   光があることよりも

   光であることよりも

   いっそ、何も見えないくらいの黒と闇である方が

   落ち着く

   揺らがないで居られる



     わたしは、もう・・・・


       あの頃には戻れない


           あの光を求めていた頃には・・・・・

    
      光を作りたいと思っていた頃には 


              わたしが作り出すのは




          ・・・・・・・・・・・・無だ・・・・・・・・・・・・・・・


























は窓から射す朝日で目を覚ますと、周囲の気配を探った。

右に今も肩を借りているヒソカ、左にイルミ。

そこから数メートル離れたところに他の受験生達がいるらしい。

「起きたかい?」

「ええ」

身体を起こさずに言う。

目は未だ何処か虚ろで焦点があっていない感じだった。

「どうかした?」

「夢を、見たわ」

「へぇ◆どんな夢?」

「覚えてないわ。良いのかも、悪いのかも」

それだけ言うと身体を起こして立ち上がり伸びをした。

そしてイルミを振り向く。

「ありがと」

「なんで?」

「横に居てくれたじゃない」

がそう俺に頼んだからだろ」

「・・・それもそうね」

言ってが歩き出す。

「何処に行くのかな?

「デッキに出てくるわ」

振り向いて言うにヒソカは微笑む。

「いってらっしゃい

「・・・・・・いってきます」



そうしては機内放送が入るまでずっとデッキで風に当たっていた。








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微妙に過去話が・・・・
しかもヒソカが別人に・・!
管理人のヒソカ設定がこの話の場合ありえないことになっています・・・
別人になる可能性、大すぎです;
それでもいいって方、この先も付いてきてくださると嬉しいです・・・・
後でまた詳しくやりますが、会ったのはイルミの方が先ですけど、付き合ってる年数はヒソカの方が長いです。
因みに、つうか改めてここで言っておきますが、これはヒソカ夢じゃありません。
とりあえず、逆ハ目指した、相手不特定の分けのわからない夢です(分けのわからないって何だ!?
そんなわけで、今後ともよろしくお願いします。




閉じてください




































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