火を熾す
それは下準備に過ぎない
問題はそれを使うための素材
二次試験・1 〜お手軽料理〜
正午。
扉が開くと開口一番、女がでかい男に腹の具合を聞いた。
「どう?ブハラ。おなかは大分すいてきた?」
聞かれてブハラと呼ばれたその男はお腹をさすった。
「聞いてのとおりだよメンチ〜、もうお腹ぺこぺこ」
女の方はメンチと言うようだ。
メンチは扉が開いているときの上体のままソファに両腕を回して足を組んでいる。
「そんなわけで、二次試験は料理よ!」
それに受験生達は驚きを隠せない。
そんなことをメンチとブハラは気にせずに試験内容の説明を始める。
それによると、ブハラの試験を先に受けそれに合格した(ブハラに美味いといわせた)もののみがメンチの指定した試験を受験できるらしい。
しかも、二人が満腹になったら試験は終了になるらしいこともわかっている。
「料理なんて作ったことねーぞ」
「・・・・こんな試験があるとは」
「まったくだぜ。俺もレオリオと同じ、作ったことねぇ。ゴンとは?」
「俺もないよ」
「あるわよ」
上から、レオリオ、クラピカ、キルア、ゴン、だ。
の言葉に四人がを注目する。
「、料理できるの?」
ゴンが目を輝かせる。
「ええ」
「へぇ、どんな料理作るんだ?」
キルアが後頭部に両手を組んであてながら聞いてくる。
「とりあえず、口にしたものは一通り。後は・・・滅多にしないけど創作もするわ」
顎に左手を当て何処か考えるような仕草で答える。
「大したものだな」
「今度ご馳走願いたいぜ」
クラピカとレオリオがそう口を開くとそれが丁度喋り終わるぐらいに、ブハラが人差し指を立てた。
「俺のメニューは・・・豚の丸焼き!!俺の大好物!森林公園に生息する豚なら種類は自由」
それを聞いたは口を開いた。
「じゃぁ、簡単ね。丁度目の前にブタいるし」
腕を組んで言い放つ。
レオリオが突っ込んだ。
「試験官殺ったら意味ねぇだろ!っていうか、ブタって」
「ああ、そうね。でも、ブタがブタを食べるなんて共食い・・・?惨いのねブタって」
「「「「(惨いのはお前だよ)」」」」
全員が心の中で突っ込む。
だがその間に試験開始のブハラの合図があったらしく、未だ突っ込んだ状態から変わらない四人には
「お先に」
と残して読んで字の如く消えてしまった。
はっとして、四人もまた豚の捕獲に出かけるのだった。
は試験会場前の広場から一瞬で森の中へ移動すると、豚を探していた。
暫く歩くと向うから何かがやってくる。
どうやら豚―グレイトスタンプ―のようだ。
それは真っ直ぐに突進してくる。
はただそこに突っ立っている。
グレイトスタンプとの距離が間近になりもう間合いがないと言うその瞬間。
は地を蹴って宙高く跳躍した。
そして、アクロバットのように頭を地に向け宙で身体をひねると左手に何処からともなく出したリボルバーを握った瞬間―――
ズドンッ――・・・
一発グレイトスタンプの後頭部めがけて早撃ち。
それは外れることもなく狙ったところに風穴を開ける。
は一回転して地に足を着く。
それに一拍おいてグレイトスタンプが倒れた。
「ヒソカは豚、捕まえなくていいの?」
いきなりそう発すると、振り向いて目線の先にある木の上部辺りの枝を見た。
「直ぐ捕まえるよ◆のお手並みも拝見したことだし」
そう言って枝から飛び降りる。
はと言うと火を熾しにかかっている。
無言でヒソカは近づくとの横にちょんと座った。
「ねぇ、・・・「あ、ヒソカ、豚持ってきて」
「はいはい」
言いかけのヒソカの言葉をさえぎりはふてぶてしくもヒソカに先ほどしとめたグレイトスタンプを持ってくるように言う。
ヒソカは素直にそれに従った。
「はい、ブタ◆」
地面にどさっと下ろすと、はそのグレイトスタンプをいつの間にやら準備し終えた枝に吊るして焼き始める。
ヒソカはただそれをじっと見ている。
すると、と火に炙られ途中のグレイトスタンプの正面にもう一匹のグレイトスタンプが現れた。
そして、めがけて突進してくる。
だが、は何をする様子もない。
その時、ヒソカがヒュッと音を立てて石を投げた。
それはグレイトスタンプの頭めがけて飛んでいく。
そして、命中。
グレイトスタンプは悶絶して倒れた。
「珍しいのね、こんなことにバンジーガム使うなんて」
は豚の焼き加減を見ながら呟いた。
「ジャンプするの面倒臭かったんだよ◆さて僕も焼こうかな」
そう言うと、ヒソカは倒れているグレイトスタンプの近くで焼く準備を始めた。
火はのところからもらってくる。
「、さっきの話の続きだけど今度食事を一緒にどうだい?試験が終わったあとにでも」
言いながらも手は焼き豚の作業中。
もじっと焼き具合を見ている。
「別に構わないわよ。あ、そうだったわ・・・!試験終了直後は無理。先約が入っているから」
「クロロかい?」
「そう」
「ふ〜ん、わかったよ◆その後でいいその代わり忘れちゃ駄目だよ」
「わかったわ」
二人はそんな会話をしながら、グレイトスタンプが焼けるまでじっと待っていた。
ブハラがあまりの空腹感に萎えていると前方から砂煙が立ち上っているのが見えた。
そして、数秒後見えてきたのはグレイトスタンプを頭上高くに担ぎ上げている受験生達だった。
それを目にしてブハラは目を輝かす。
受験生達は次々とブハラの目の前にグレイトスタンプを積み上げていった。
そして、ブハラは食べ始める。
それ以降、食べ終わるまでずっと「美味い」の一点張りだった。
「彼、本当に美食ハンターなのかしら」
が口を開く。
いつのまにか近くに集まっていた、ゴン、キルア、レオリオ、クラピカが答える。
「「「「さぁ・・・・・」」」」
全て食べ終わると、ブハラは腹いっぱいになったらしく、試験終了の言葉を言った。
「もう、お腹いっぱい」
すかさず、メンチが銅鑼を一発たたく。
「終ーーーーー了ぉーーーーーーーーーーー!!!」
その場に居た受験生たちはブハラの食いっぷりにかなりビビッた。
ゴンは感心している。
「うわぁ、ハンターってやっぱり凄い人たちなんだね!」
「いや、ちょっと違うだろ。凄いかもしんねぇけど」
キルアが突っ込む。
そして、ピンとはずれな人達がここにも。
「「変だわ(おかしい)明らかに彼の身体よりも食べた量の方が多い・・・!」」
クラピカとだ。
レオリオがすかさず突っ込む。
「いや、そんなにマジにならなくても」
呆れている。
メンチは全部美味いと言ったブハラに少し不満そうになりながらも、声を張り上げた。
「豚の丸焼き料理審査、70名が通過ーーーーー!!」
そう言うとメンチは一拍おいてまた口を開く。
「あたしはブハラと違ってカラ党よ。審査も厳しくいくわよ〜〜。二次試験後半、あたしのメニューは・・・」
「スシよ!!」
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そんなわけで隷です。
中途半端ですね。そして毎度のことながらなんか読みにくい文章ですね;
すんません、文才ない上にレイアウト力なくて。
今回はまたまたヒソカとお話しましたね;趣味丸出しってところですか・・・
ついでにさんまた毒舌炸裂です;4人のおっしゃるとおりですわ。
しかも、途中で別れていきなり一緒に行動始めたりしているし・・・
ま、いいか(良くない
これでお暇させていただきます(逃
もう読まない方は閉じてください