舞う蝶は道標


紅への道標


紅もまた道標





      四次試験・3 〜蝶〜












はポックルと別れた後、今までずっとターゲットを探している。

太陽はもう南中に差し掛かる頃だ。

途中、ボーっと何もしなかった時もあったのでもうお昼。

暫く歩いていると、目星をつけているターゲットを見つけた。

「(二人足りないわね・・・仕方ない、付けるか)」

そうして、気配を殺しほっそりとした男の後をつけることにした。




暫く後を付け一晩たち、また暫く付けていると、図体のデカイ男と合流した。

そいつにも誰か付いているようだった。

とりあえず、そいつに付いている奴にもわからないように気配を消す。

といっても、もともとに気づいていないようだが。

二人になってから、またも暫く後をつける。

すると、前方にもう一人目星となっている人物を見つける。

そして、その先には

「(キルア・・・?)」

そう、キルアがいた。

は暫く様子を窺うことにして、木の枝からそれを見下ろす。

「(流石、ゾルディックの跡継ぎ。あんなのわけなさそうね)」

キルアが一気に三枚のプレートを手にする。

そして、不要なプレートを投げた。


ビュオッ――・・・


空を切って飛んでいくプレートをはキルアたち数人に見えないようにキャッチする。

「197・・・もう一枚の方か」

そうして、後ろを向くと、逆方向に飛んでいくプレートを確認して、木の枝を思いっきり蹴った。

一気にプレートに追いつくと、それもキャッチする。

近場にあった木に着地して確認。

左の手のひらを反す。

「(198)」

「あーー!おい!!」

確認したのと同時くらいに叫び声が聞こえた。

そちらを振り向くと忍び装束に身を包んだ男が同じ木の枝に立っていた。

「何?」

「それは俺のプレートだ!」

「これ?」

そう言って、先ほど手に入れた198のプレートをその男に見せる。

「!!!1・9・8だとぉぉぉぉぉ!!なぁあぁぁ、もう一枚の方かよ!何てことだ!!!!」

この世の終わりのようなリアクションをとる男をは五月蝿そうに顔を顰めながら見る。

「あなたのはこっちかしら?」

言って、右に持っていたプレートを男に見せる。

「ん?おおおおお、それぞ正しく俺のターゲットナンバー!!

「あげるわ」

「本当か!?かたじけない!!」

そう言って、男はからプレートを受け取った。

「あ、俺はハンゾーというんだ。おまえは?」

お前呼ばわりするハンゾーを無表情で見ながらが口を開く。

よ」

それを聞いて目を見開くハンゾー。

・・・だと・・・・?」

「ええ」

そうが言うと、次の瞬間の頬を掠め刃が顔の右横にあった。

一筋の紅が頬を伝う。

は表情一つかえずに言い放った。

「仇?」

「ああ、三年前、俺の主が殺された。凄く人のいい、主だった。一瞬だった。俺はその人に恩もあったんだ、それを・・・!」

「殺る?」

「・・・・・・いや」

そう言って、ハンゾーは刃を仕舞った。

「少々いきなりすぎたな。お前がやったという保障が何処にも無いし、別のの人間かもしれない。その傷だけで十分だ・・・すまない、女の顔に傷つけちまった」

「そんなこと気にしていないから平気よ」

「・・・プレート、助かったぜ。ありがとな」

「ええ」

がそう言うと、ハンゾーはその場を後にした。

残されたは暫くその場に立っていた。







夜、今日も三日月だ。

自分の血につられ飛んでくる好血蝶を見ながら、顔によってこないように掃っている。

最中は森の中を歩き進んでいるが。

ちょっとした、広い場所へ出ると、視線の先にあった丸株に腰を下ろした。

「(・・・ヒソカ、ここに居た・・・・・?)」

そう思っていると視線の右の下の方で土が盛り上がったのが見えた。

そして、そこからイルミが頭だけ出す。

「ピン取ったの?」

がイルミに言う。

「うん。あ、今はイルミでいいよ」

「わかったわ」

イルミは土から出てくると、付いた土を手で払い落としての隣に座った。

「怪我したんだ?いつ?」

イルミがの右側の頬に伝う血を見て聞く。

「昼間」

「・・・本当、って傷の治り遅いよね。どうして、そんな制約にしたの?」

「わたしに言わないで。この制約を決めたのはお父様だもの。わたしに拒否権なんてないわ」

「そっか。で大変だね」

「まぁ・・・ね」

は横にイルミの視線を感じながらじっと地面を見つめる。

「見せてよ」

いきなりそう言うイルミを振り向く。

「何を?」

「タトゥー」

「嫌よ」

「いいじゃん、別に」

「わたしは良くない」

「俺は良いんだけど」

「だから、わたしは良くないって言っているでしょ」

「俺は良いんだ」

そう言うと、が嫌がるのも無視して背を自分に無理やり向かせる。

「ちょっと」

イルミはそのままを身動きできないように自分の腕の中に閉じ込めた。

そうして、の両手首を片手で掴むと、空いている手をシャツの後ろ襟に手をかける。

「イルミ、離しなさいよ・・・!」

「嫌だね」

言うと、そのままかけた手を思いっきり下に下ろし肌蹴させた。

そして、そこに現れたのは背中全体に広がる蝶のタトゥー。

黒で描かれた蝶。

「―――っ・・・」

「やっぱ、綺麗だよね。好きだよ、俺」

「わたしは嫌いだわ」

「俺は好きだよ、これも、も」

「わたしは・・・嫌いよ」

「どっちが?これが?それとも俺が?」

「両方よ」

イルミの腕の中で取り敢えずおとなしく座っている

イルミはそんなを抱きしめる。

「そう言うなよ、酷いじゃん、

はそっぽを向きながら淡々と言う。

「自業自得でしょ。それに、酷いのはそっち。無理やりやっといて何寝言、言ってるのよ」

「怒るなって、機嫌直してよ

「・・・・・」



「・・・・・」

「何でも言うこと一つ聞くからさ」

「・・・・・・・いいわよ」

言ったをイルミはじっと見る。

「未だ何かあるの?」

顔を顰めて聞く。

イルミは無言で自分の方にを向かせると頬を流れていた血を舐めた。

「何・・」

「ん、なんとなく」

そう言ってイルミはから顔を離した。

「わけわかんないわよ。・・・疲れたわ」

言いながら、はシャツを着なおし、その時間を元に戻した。

「寝る?」

「ええ」

言ってはイルミの胸に頭を預け、間もなく寝入ってしまった。

イルミはそんなを見下ろす。

「(本当、変わった奴。あんだけ嫌がったらこの場から立ち去るだろ、普通。ガキの頃はよく笑ってたけど・・・いつからだっけ、笑わなくなったの・・・
  覚えてないな。あの頃は全然、興味なかったしな)・・・あの頃から付き合ってれば、ヒソカに先越されること無かったのに・・・ね、?」

誰とも無く独り言ちたその言葉は夜の闇に吸い込まれた。







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イルミ夢っぽい(ぽいってなんだよ
しかも、ハンゾーの辺りとかかなり無理なオリジナル設定に・・・;
何がしたいんだよチミは
また、微妙に暗いしさ;
救いようがないっすね



閉じてください

























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