「あれ?(・・・・・今何回目だっけ?)」





   第二話 暇つぶし





もう、ここに来てからずっと腕立てをしていた


周りには40名程の受験生達が到着していた。


二時間ほど腕立てをして一回目から数えていたがどうやら途中で忘れたらしい。


汗は一つもかいていない。


中断し、胡坐をかいて考え込み始めた。


「(何回だったかな〜???)」


マジで考え始めた。


そこが問題じゃないだろ。


兎も角考えに考え、頭をひねくり回す。


「だぁー、もう、わからん!うおっ」


両手を投げ出して叫んだ瞬間何か凄い勢いで飛んできたのを右手の人差し指と中指の間に挟んでキャッチする。


よく見るとそれはスペードの1が書かれたトランプだった。


「(なんでいきなりトランプが飛んでくるんだ・・・・)」


そんなことを考えていると正面から声が聞こえてくる。


「ククク、面白いねぇ◆君、名前は?」


「いきなり攻撃しかけてきて名前聞くのかよ!てか、先に名乗れ、名前ピエロにするぞ」


そう言ってはビシィッと左の人差し指で奇妙な格好をしたピエロを指した。


「それは困るボクはヒソカヒソカでいいよ◆で、君は?可愛いお嬢さん


「うわっ、キモ!語尾にハート付けてお嬢さんとか言うな!わたしはだ。わたしもでいいけど、なんか周りの視線が痛いからあまり近寄らないで」


そう言うは未だ胡坐をかいたまま。


ヒソカを見上げる形だ。


君ってさりげなく酷いことを言うね◆」


「素だから気にするな」


「余計気にするよ


「細かいこと気にすると禿げるぞ、ヒソカ」


「ククク、本当に君は面白いマリーナの娘だろ?」


はいきなり母の名が出てきたことに驚く。


「知っているのか?母のマリーナを」


「うん一度だけ依頼したことがある◆」


「ふ〜ん」


「何を依頼したのか聞かないのかい?」


は左手で顎を支えながらヒソカを見上げる。


「ああ、仕事のことは聞かないことにしているんだ。それとも、聞いて欲しいのか?」


ヒソカは笑ってトランプで遊び始めた。


「いいや◆だけど、そういうところもマリーナによく似ているでも、そうなるともボクに説教するのかな?」


「・・・・・意味わかんねぇよ。そもそも、そこまで母さんに似たくはないね。それはそうと・・・」


言うと、はヒソカを座るように促す。


ヒソカはそれに従っての真正面に胡坐をかいた。


周りの受験生達は60人ほどに増え、この二人がこの後何をするんだろうと見ていた。


「なんだい?」


「暇だから、ババ抜きしよう、ババ抜き。あ、一回だけな。わたし弱いから」


自分から弱いとばらす。


意味ないじゃん。


「・・・・いいよじゃあ、ボクが切ろう」


そう言うとヒソカはトランプを切り始めた。








、早く引きなよ◆いつまでそうしているんだい?」


「ぬぅーーーー、んじゃ、こっちだ!」


長時間睨み続けてバッと引いたそのカードは・・・


ジョーカー


大当たり!


はがっくり首をもたげて自分の二枚だけのカードを背の後ろでシャッフルする。


あまり意味ないけど。


「さぁ、ヒソカの番だ」


出された二つのカードをヒソカは間を空けずに引いた。


「ボクの上がりだね」


「わかってたさ、負けることぐらい」


何処か哀愁漂わせて失笑する


ヒソカはそれを見ながら喉を鳴らしていた。


「よし、一回やり終わったからこれで終了な。わたしはちょっと散歩してくる。多分戻ってこないから」


「うん


はすっと立ち上がって人ごみに紛れて言った。


二時間のババ抜きを終わらせて・・・・。


かかりすぎだって







が人の間を歩いていると目線の先におっさんが子供にジュースを手渡しているのを発見した。


はそれを確認してその元へ歩み寄っていく。


「なぁ、おっさん、そのジュースわたしにもくれないか?」


そう言ってはそのおっさんの肩に手を乗せた。


「(おっさ・・・)ああ、いいよ。それから、俺はトンパだ」


トンパはジュースを取り出してに差し出す。


は満面の笑みでジュースを受け取った。


「ありがとな、見かけによらず優しいんだなトンパさんは」


そう言って微笑んだを見てトンパとその横に居た子供は顔を赤らめた。


「なんだ、どうした?お前ら調子悪いのか?悪いんなら診てやるぞ」


そう言って顔を覗き込む


しかもマジだ。


トンパは耐え切れずその場を後にしてしまった。


「だから、調子悪いんだったら言えって」


はそう言うと、持っていた缶の蓋を開けて一気にジュースを飲んだ。


そう、一気飲みだ。


子供はそれを唖然として見ていた。


そして、が飲み終わったと同時ぐらいに口を開く。


「お前、それなんか入ってんだぞ、吐き出せ!」


「おう、坊やは体調は大丈夫なのか?」


子供は”違ぇよ!”と突っ込む。


「聞いてんのか!?人の話!」


「聞いてるって、わかってるさ。でも、心配後無用。効かないよ、わたしにはな。心配してくれてありがとな、坊や」


そう言って腰を落として視線を合わせるとその子どもの頭をなでた。


「お、俺は坊やじゃねぇ!キルアだ」


キルアは手を払いのけた。


はすっと立ち上がり腰に手をやってため息をつく。


「可愛くないね、キルア君は」


「可愛くなくて結構だ」


そう言ってキルアはを睨んだ。


「嘘だよ、まあ、そんなに怒るなって、キルア=ゾルディック」


キルアはそれに驚いて後ずさる。


「なんで」


「知ってるかって?仕事柄な」


「何の仕事だ」


「それはここでは言えない。人が多すぎる。後で話すよ。わたしはでいいぞキルアくん」


そう言っては手を差し出した。


キルアは暫く警戒していたがふっと笑っての手をとった。


「俺もキルアでいい。のことはまだあまり信じれないがいいやつみたいだし」


「何かそれ、ムカつくぞ」


「気にすんなよ、そんなんじゃこれから先ついてけないぜ?」


「そうなんだ」


言いつつ二人は握手を交わした。








  ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ



「只今を持って受付時間を終了いたします」


けたましい音の後一人の男が現れた。


今まで話をしていたとキルアもそちらを向く。


「あ!(サトツさんじゃん・・・・そうだ、ついでだし)」


何か考え始めたにキルアがコートの裾を引っ張る。


まぁ、は身長173の上、厚底のブーツを履いているから、まだ子供のキルアには仕方がない。


なんせ、厚底まで入れると180近くなる。


「おい、。何、考え事してんだよ先に進み始めたぞ」


それに気づいてが下を向く。


「ああ、行こうキルア」


そう言っては歩き始める。


キルアもスケボーを走らせ始めた。


暫くすると段々速度が上がってきていることに気づく。


は歩きながらスケボーを滑らせているキルアに口を開いた。


「キルア、わたし、ちょっと用事思い出したからちょっと行って来る」


「どこへだよ」


顔を顰めながらキルアが聞くとは笑顔を見せて答える。


「ん、ちょっと前まで。直ぐ戻ってくるから」


そう言って、はキルアの承諾を待たずに既に走り始めている受験生の頭上をジャンプして飛び越えていった。


キルアが驚いてそれを目で追った頃にはもういなかった。


・・・マジでよくわからねぇやつ。ぜってぇ、後で聞かないとな」


そんなことを思いながらキルアはスケボーを前の方へと走らせた。









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また、無駄に長くなってしまった;
ヒロイン、単純ね・・・;ま、しょうがないっすな、それは。
ちなみに、初対面の人には”さん”か”くん”をつけて呼びます。呼び捨てにしろと言った人だけ呼び捨てで呼びます。
ヒソカと遊んでキルアの頭をなでなで・・・・さ、最強だ・・・!!
ええ、でもこのヒロインは身体的能力、念能力ともに最強です。
最強ヒロイン・・・・・・爆走中(え
では。





閉じてください
























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