「キルは暫く自由にさせておくことにした」





    第十九話  ゾルディック4








シルバにそう伝えられた。


そう、ただそれだけ伝えられた。


はとりあえず、何となく言いたいことを察知すると、実は過保護ですよね、そう残してシルバの部屋を後にした。


残されたシルバは苦笑いを浮かべているようだった。


しっかりと確認していたわけではなかったが。








キルアの方がこの本邸を後にするのが早いかと思っていたが、未だだったようで、は取り合えず、本邸の入り口の上り階段に腰掛けていた。


日も落ち始めて大分暗くなってきている。


前方に影が見えてそれを良く見てみると、キキョウとカルトだった。


走ってきたのか、微妙に服の裾が乱れている。


「あら、。もう、お帰りかしら?」


「はい、お世話になりました」


「まぁ、まだ居ても良かったのに。何ならイルミが帰ってくるまで・・・」


「い、いいえ、結構です・・・」


半ば強引に話を終わらせるに、キキョウはさして気にした様子もなく、ただ、残念だと口にしながら邸内への扉をくぐっていった。


その後に続いていたカルトは扉をくぐる間際にくるりと振り向いてに手をふる。


もそれに倣って笑顔を浮かべながら手をふり返した。






それから間もなくだった。


キルアが扉をくぐって外に出てきたのは。


暗くなり始める空の下にを確認したキルアは再び驚いた。


はそんなキルアに気づきつつも、さして気にする様子もなく、寧ろ飄々と、のうのうと言葉をつむぐ。


「よっ、キルア。元気してっか?」


片手を顔の位置まで上げて。


キルアはそれに一瞬呆けたが、すぐさま持ち直してを指差しながら言った。


いや、それは叫びに近かった。


「よっ、じゃねえよ!何でお前がここいるんだよ!?」


それには両腕を肩の高さまで持ってきて開きながら言う。


「何でって、お前、約束したじゃねえか、迎えに行くってよ。もう、忘れちまったのか?あ、ゴンたちは執事室にいると思うけどな・・・多分」


そんなことを言うに、キルアは先ほどと変わらない状態で言った。


「んなことじゃねぇよ!俺の家族とどういう関係があるんだってことだよ!」


「ああ、そんなことか。そのことは歩きながら話すさ、取り合えずゴンたちの下へ行くぞ」


そう言うと、はさっさと歩き始める。


「・・・ああ・・・・・・!って、置いていくなよ、歩くの速ぇし!」


「それはキルアの足が短いからだよ」


「うるせぇ!」


言いながらキルアは慌ててその後を追っていった。









「・・・と、まぁそんなところだ」


「知らなかった・・・」


夕闇に包まれたククルーマウンテン麓の樹海を歩きながらそうキルアに告げた。


それにキルアは肩をがっくりと落とす形で呟く。


だが、間もなく顔を上げて先行くの背中を見据えて叫んだ。


「てか、なんでそういうこと早く言わねぇんだよ!」


それに、暫くは黙っていたがいきなり振り向いて言った。


「面倒臭かったから」


キルアは物凄く胡散臭そうな顔をしてを見つめて呟く。


「その間は何だ、その間は」


「さぁ、ペース上げていくぞ、ゴンたちが待ってるからな!」


キルアの言葉などまるで聞こえていませんと言うかの如く、一人歩を進めながら高らかに言ってみせる


キルアはそんなの背中を睨んでまた叫ぶ。


「誤魔化すな!大体、お前は「キルア!」


キルアの言葉を遮ってが声を張り上げた。


そして、振り向くとこう一言。


「細けぇことばっか気にしてると禿げるぞ」


そう言ってはまた歩き始めた。


しかも、かなりのスピードで。


「な、お、おい、待てよ!まだ話は終わってないんだぞ!」


「だから、あまり細かいこと気にすんなよな。
 余り五月蝿いとゴンたちに、実はキルアはマザコンで家ではママって呼んでるって言いふらすぞ!」


「んな!?おい、待て!そんな気持ち悪ぃことするわけねぇだろ!」


「あぁー何も聞こえない」


そう言いながら耳を手で何度も塞いだりしながらは奇声を発して走る。


その後を必死でキルアは追った。


の口を塞ぐために・・・。


それから暫く樹海からキルアの叫び声が聞こえたとか聞こえなかったとか。






「絶対ぇ、言うなよ、あんな嘘!」


今は執事室に向けて早歩きで進みながらキルアが口を開く。


「わかってるよ、でも、嘘なんだからいいじゃねぇか!」


「嘘でも信じそうな奴が一人居るだろ、あいつにだけは・・・」


「ああ、レオリオね。まぁ、それは納得できるがな」


そう言ってキルアと並びながら歩くがふと、顔を上げた。


「お、見えてきたぞ、執事室!」


それを聞くと、キルアは嬉々としながら顔をあげ、そしてこういい残して走っていった。


「俺、先行ってるからな!」


走りながらゴンの名前を叫ぶキルアの後姿を、微笑みながら今度はが後を追った。




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とりあえず、一休み。
・・・これでゾル家篇終わりにしようと思ったんだけどなぁ・・・;
そして、無駄につらつらと言葉並べたような文ですみません。
やはり、わたしには文才ないです。ヘボ文しか書けない;
えぇ、本当の本当に次でゾル家篇終わりにします。
ていうか、したいです(殴


もう読まない方は閉じてください。


































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