『プルルルルルルルルルルルル』







   第十五話  門







「はいはいっと・・・・< ピッ > はい、こちら万屋


パドキア共和国、ククルーマウンテン麓の町を歩いていると、不意になった携帯に出る。


『シルバだ。今、空いているか?』


「ああ!三ヶ月ぶりです、シルバさん!大丈夫ですよ、依頼ですか?」


電話をかけてきたのは今から将に行こうとしていた家の主からだった。


はいつもの口調ではなく敬語で出る。


自分の両親の他に敬語を使うことは滅多にないがその対象が全く居ないわけではなく、少人数はいるわけで。


『ああ、直接会って話しをたい。出来るだけ早くこちらへ来てもらえないか?』


「構わないですよ」


『では、待っている』


 <プツ・・ツーツー・・・・>

 ピッ


切れたのを確認しては自分の携帯のボタンを押す。


「まぁ、出来るだけ早くって言うか・・・・もう居るんだけどな、パドキア」


そう、独り言ちて携帯を仕舞うと先ほど止めてしまった足を再び動かした。


ククルーマウンテン行きの観光バスの止まるバス停をスルーしてそのまま山へ向かって歩き始める。


「(ゴン達・・・・今どこにいるんだかな・・?まだ、門開けられずに立ち往生してたりしてな、なんて)よし、ジョギングでもするか!」


そう言ってあながち間違ってもいない考えを胸に秘めつつ坂になり始めた山の斜面を道路をつっきり文字通り真っ直ぐククルーマウンテンに向かって走っていった。















「やっぱ、いつみてもでけぇな、オイ!・・・しっかし開けるのは面倒臭いな・・・・・・」


山を突っ切り、走り始めて20分弱、ゾルディック家の入り口、巷では黄泉への扉といわれている門前に着くと第一声に突っ込んだ。


そして、面倒臭いなどといいながら門の目の前まで歩み寄る。


は自分の頭を左手で掻きながら門を見上げたが、その視線を”守衛室”に移す。


「(ゼブロのおっちゃんも、シークアントもいねぇな・・・いいのかよ・・・・・・・)」


そんなことを思いながら視線を戻し息を一つ吐いた。


そして・・・


「おりゃっ」



  
 グワッシャァァァァァアアアンン―――・・・・・



痛快なけりを一発。








「レオリオ、今日は二の扉まで開けちゃうんじゃない?」


「おう、頑張るぜ!ゴンも頑張れよ、後お前だけだぜ」


「焦ることはない、ゴン。開けられるのも時間の問題さ」


「しかし、本当にびっくりですよ、流石ですね」


こんな会話をゴン、クラピカ、レオリオ、ゼブロの四人は繰り広げながら本日鍛錬を始めて20日目の試しの門への道を行く。


そろそろ門の頭の部分が見えてくるというところで、


   
グワッシャァァァァァアアアンン―――・・・・・


凄まじい音が前方から聞こえてきた。


そのけたましいまでの音に四人は互いに顔を見合わせる。


「な、なんだぁ!?今の音は・・!?」


「行ってみよう、試しの門からだったよ」


ゴンがレオリオにそう言うと筆頭に門へ駆け寄っていった。


近づいてみると丁度勢いよく開いた門が閉まるところで、その開いた門は、なんとZだった。


それにびっくりしている四人だったが、前方から声をかけられ、そして、その声の主にまた驚く。


「お?ゴンたちじゃねぇか!!まだここに居たのか」


「「「!?」」」


さん、勘弁してくださいよ、門が壊れたらあたしが怒られるんですから・・・」


まったく、と言うゼブロにはあくびれた様子もなく”悪ぃ、悪ぃ”と右手を額に持っていって謝るポーズを作った。


「それより、お前らなんだ、その格好、修行でもしてんのか?」


「そんなことより、今、・・・Zまで扉開けてたよね・・??」


そういうゴンには素っ頓狂な声を上げて相槌を打つ。


「んあ?ああ、だな」


「凄い勢いだったよね・・・?」


「ああ、少し強く蹴り過ぎたみてぇだな、あっはっは」


「「「・・・少し・・・・」」」


その言葉に肩を落とす三人。


は両手を腰に当てながらそんな三人に声をかける。


レオリオには少し気まずさを心に感じながら。


「んで、ゴン達は何をやってんだ?」


「うん、試しの門が開けられるようになるまでって、ゼブロさんに頼んで修行させてもらってるんだ!」


「ほぉ、んで、調子は?」


「実は、あと開けられてないの俺だけなんだよね。あ、そうだ、凄いんだよ!レオリオもう少しでUの扉まで開きそうなんだ!!
 ね、レオリオ!」


「あ、ああ」


「そっか、ま、頑張れよ、わたしはもう行く」


「え!?一緒に行ってくれるんじゃないの?」


そう言ってゴンが声を上げる。


は左手を腰に当てたまま右手で頭を掻くと、バツが悪そうに言った。


「あぁ〜それがここの屋敷の主人と会わないといけねぇんだ、悪ぃな」


「仕事か?」


クラピカがそう聞くとは肩をすくめながら短く相槌を打つ。


「そっか、それじゃ仕方ないよね」


「悪いな、ゴン。キルアに会ったら来てる事行っとくからよ、つか、寧ろ連れてくるわ」


それを聞いてゴンは顔を輝かせる。


「うん!俺達も早くそっちに行くよ!ね、クラピカ、レオリオ」


「ああ、そうだな。しかし、その前にまず、試しの門をクリアしないとな」


「ああ、そうだった、よぉし、頑張るぞ!」


俄然やる気が出たらしいゴンをは微笑ましく思いながら”んじゃ”と言ってクラピカとゼブロの間をすり抜けて歩き始めた。


しかし、不意に自分の名前を呼ばれ足を止め振り返る。


声の主は、レオリオ。


・・・その、ハンター試験のとき、すまねぇな。俺の早とちりだった・・・その」


それには笑顔を向ける。


「気にしてねぇよ、どちらにせよ、人殺しってことには変わりはねぇからな」


「・・・一段落ついたら一緒に故郷に帰ってくれよ、頼む」


そう言って頭を下げたレオリオにはびっくりして目を丸くする。


そして、また笑顔を向けた。


「ふっ、何、水臭ぇこと言ってんだよ!頼まれなくったって行くさ、お前との仲だろ?」


・・・」


顔をあげたレオリオを確認するとは”さてと”と切り出す。


「滅多にないもん見れたところで行くかな、明日は雨かもな」


「ん?どういうことだぁ!!」


そう言って暴れだすレオリオには笑いながら歩を進め始める。


「Uの扉、開けられるように頑張れよ、後で見てやるからよ、ゴンとクラピカも頑張れよ、また後でな!!」


「おうよ!」
「うん!」
「ああ」


三者三様に相槌を打ち、それを背中で聞きながらはとりあえず、ゾルディック家本邸に向けて歩を進めた。


まだまだ日は高い位置にある。








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今回は妙に短い物・・・
なんだか、最近課題地獄だったせいか感覚がつかめない・・・
もともとヘボイのにもっとヘボく・・・・
すんません;
早く旅団との絡みが書きたいと思う今日この頃。。。






































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