あなたは絶対来てくれる


だって、小さいときからそうだったじゃない?





どんなときも、わたしが独りになっていたら・・・










天を見上げると青と白、地に視線を落とせば蒼と翠の草

そして、その上に置かれた脚からは紅い血

誰も居ない静かな空間、戦場が近くにあるというのにここだけが別の空間のように・・・


静寂―・・・

傍らには先程事切れた青毛の軍馬

数本の矢を受け尚、主人を逃すために懸命に走っていた馬


「ありがとう、ごめんね」


寂しくないように少しでも長くここにいるから

その顔を手で優しく撫でながら未だ残る温もりを感じる

それを惜しむように手を離すと再び天を見上げた

青と白の眩しさに見惚れ、近い戦場の砂煙を気にしては・・・

負傷した脚に服地を切り裂いた布で応急しながら幼少のころを思い出す

今回もきっと、絶対貴方は来てくれる、そう心に抱いて

天を仰ぎ目を瞑る



ふいに馬の蹄の音が耳に入る

だんだん近づいてくる

それとともに聞こえるのは聞き慣れた人の声

己の名を呼ぶ声


「   ―っ……」







「 ―っ」













ほらね、やっぱり貴方







!」

貴方の声はやっぱりいつもと変わらず、どこか落ち着いた声音

聞き慣れた、心地の良い声

「子孝」

振り向いて取り敢えず確認

思っていた通り貴方は馬を下り、怪訝な顔をして、そして、少し怒気を含めた表情(かお)でわたしを見つめる

「何をしておるのだ、!心配を掛けさせおって、しかも警戒もせずに・・・
 戦場から少々離れているとはいえ、敵が来るやも知れぬのだぞ!」

「ごめんなさい」

微笑んでみせた

やっぱり、反応は不快な顔をするのね

でも、それは当たり前だから

からかってみただけ

「・・・!負傷しているのか」

「うん、まぁ。愛馬も事切れちゃった・・・寂しくないようにここにいたんだけど
 結局、寂しかったのはわたしみたい、負傷もしてるし、動けなかったし」

本音を話すつもりは無かったんだけどいつもみたいに結局、話しちゃった

この人の前では話すつもりが無いものでもやっぱり外に出てしまう

「まったく!自分が来ていなかったらきっと死んでおったぞ」

そう言って、近づいてきたと思ったらわたしを抱き上げた

脚の怪我に響かないように

視点が高くなってなんだか新鮮だったけど、一番は貴方が照れていたこと

それは他の人にはきっと分からないぐらい細やかなことだろうけど、わたしには分かった

貴方の首に手を回す

近くに温もりを感じてほっとする

「うん、でも、子孝はこうして来てくれたじゃない? わたしが独りのときはいつも来てくれる、絶対に」

それを聞いた貴方は少し面食らったような表情(かお)をしてこう言った

「当たり前だ、お前を、を独りにはさせぬ、人一倍寂しがりやだからな」

わたしを貴方の馬に乗せて、貴方もまた馬上の人となる

苦笑しながらわたしは貴方に落馬しないようにと、ほんのちょっぴりの恋心から抱きついた

「この戦が終わり、都についたら愛馬のかわりに自分の馬の子で一番の馬をに遣ろう」

風を切りながら馬上で会話

「ふふ、本当に!?ありがとう」


そして少し背伸びをして貴方の頬の温もりを唇で感じたら、貴方は顔を真っ赤にした



それがどうにも可笑しくて、わたしはお腹を押えて笑いを堪えた






終わり


                                                          



なんとなく、勉強中に書きたくなった話。
しかも、曹仁・・・ちょっとだけ苦戦しました、彼の口調に。
途中、周泰やら、惇兄やらとかぶって大変でしたよ。
いつもながらに良くわかんない内容ですね;
しかも、客観的からヒロイン視点の主観的に転じてる(滝汗

久々に書いて吐血中。微妙に甘い気がする今日この頃。
さっぱりに仕上げるつもりだったんですがね、つもりで終わってしまった;;
ま、まぁ、いいさ〜ではさらば〜〜(逃げるな

2003,08,12 隷

閉じてください


















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