毎回・・・・・・思う



今の様にこいつの屋敷のこいつがデザインしたという庭で

こいつに付き合わされて茶を飲んでるときとか



たまに見るこいつの仕事をしているときの面とかその技とか



兎も角こいつと一緒にいるときはいつも思う



オレには出来すぎた女だと

そして、こいつなら横に居てもいいと









       
Stay with you








広い屋敷の広い庭には大きな枝垂桜が植えられている。


それは”普通”の桜の花よりも多少濃い目の色を宿して滝の如く咲き乱れていた。


その花が咲くこの庭はどちらかといえば、その花の原産国よりなデザインではあったが
それとは別の異国のテーブルが置かれていてもなんら違和感は無いデザインでもあった。


そんな庭の枝垂桜が咲く枝の下ではテーブルと共に用意してある椅子に座って紅茶を飲んでいる。


その横というか、斜め左前にはフィンクスがテーブルに頬杖をして何処ともなしにボーっとしていた。


風が吹き枝垂桜の花弁を散らす。


テーブルの真ん中に品よく生けられた胡蝶草もまた風に僅かばかり揺れた。


そしての漆黒の髪も揺れる。


大分長い間沈黙が続いていた。


何を話すわけでもなく、ただ二人はその場に在り続ける。


だが、それを不意にが破った。


「ねぇ、フィンクス」


不意であってもその声音は耳に心地好い。


「ああ?」


「フィンクスはさぁ、殺しや戦闘以外に好きなことってあるの?」


ぶっきらぼうに返してきたフィンクスに特に咎めるわけでもなくは質問を続けた。


「お前はどうなんだよ」


先ほどから体勢は変えずに視線だけをによこす。


はテーブルにフィンクスと同じく右手で頬杖をついた。


「私?私はねぇ、殺し以外ならこうやって自然に触れながらお茶することと、フィンクスが好きだよ」


伏目がちに茶を見つめる。


目下に落とされたのは長い睫の影。


口元にはうっすらと嫌な気はしない笑みを浮かべている。


「お前、そういうことをさらっと言うか?普通」


「どういうこと?」


「・・・・・・それをオレに言わせんのか?」


特に表情も変えずに聞き返したフィンクスだったが流石にの二度目の質問にはしかめっ面で返した。


だが、それにはさらっと返す。


視線だけフィンクスに向けて。


「別に構わないでしょ?だって、それを聞いて動揺しているわけでもないんだし」


「・・・・・・」


バツの悪そうな顔をするフィンクス。


不意にの携帯が鳴る。


頬杖をついたまま左手で携帯を服のポケットから取り出した。


そうして、が通話ボタンを押すが早いか、フィンクスがその携帯を取るのが早いか、
しかし、フィンクスの方が早く携帯を奪い取ると電源ボタンを切ってしまった。


言うまでも無く、携帯はフィンクスの手の中にある。


はフィンクスをじと目で見た。


「何てことしてくれるの?」


それにフィンクスは悪びれた風もなく、手の中で携帯を放りながら言う。


「別にいいじゃねぇか、どうせ仕事依頼の電話で、しかも断るつもりだったんだろ?」


はフィンクスと居る時はいつも、仕事依頼などの話は断っていた。


それを理解していたフィンクスはそう言ってに何故そんなことを聞くのかといった風に視線を送る。


「・・・それはそうだけど」


「だろ?ならいいじゃねぇか」


その言葉に少し怒気を含めてが口を開く。


「良くないわよ。一言も話さずに依頼の電話切ってしまうなんて。
 もし、これで評判落ちたらどうしてくれるのよ、食晩れるなんてごめんよ」


「もしそうなったら評判落とすような言動したヤロウを俺が殺してきてやる」


そう言ってフィンクスは拳を作り、いかにも殺る気満々ですと言わんばかりの笑みを見せた。


「そういう問題でもないわよ・・・全く」


「どっちだっていいだろ?結局オレと居る事に変わりはねぇんだし」


幻滅しているにフィンクスはさらっと言いのける。


「・・・・・・」


はただ肩を落とし呆れて聞いているだけだ。


視線も何処か別の方向を向いている。


俺はお前といる時間が一番・・・好きなんだよ


僅かに聞こえたその言葉に顔をあげる


目線を合わせず、どこかに視線をやっているフィンクスの横顔は、照れているのか頬が少し赤かった。


はそれに少し驚いたが、何だか可笑しくなって口元に軽く左手を添えた。


「・・・そう?」


「あ、おい!今笑いやがったな!?笑ってんじゃねえよ!」


の苦笑交じりのその言葉に勢いよく指差して言うフィンクス。





「笑ってないわよ」


と言いつつも、口元には笑みを浮かべてティーカップを手にする。


そして一口、口にした。


風が桜の花びらを運び、の髪を揺らす。


「今も笑ってんじゃねえかよ」


「笑ってないって」


そっぽを向いてしまったフィンクスにそう言って、かちゃりと鳴らしてカップを置く。


そしてカップからフィンクスに視線を移すと、未だに花びらの舞うその中でやんわりと微笑んだ。


「ねぇ、フィンクス」


「あんだよ」


フィンクスもまた、未だにそっぽを向いたまま。


しかし、が気にする事はない。


そして紡がれるのは、


「また一緒にお茶、してよね」


次のお茶の約束。


それにフィンクスが断るわけもなく、


「・・・ったりめーだろ」


そう言って、腕を伸ばすとを己の胸に抱いた。


いつまでも横にいて欲しいと、一緒に在って欲しいと、



そして、赤くなった顔の照れ隠しの為に。





ただそこに居てくれればいい


ただそこに在ってくれればいい


それ以上は望まないから


ただ、ただ、一緒に…―― Stay with you ・・・・・・















・・・何コレ。
微妙、ですね、すんません;
とりあえず、胡蝶草の花言葉が貴方と一緒に、です。
花言葉図鑑読んでたら浮かんできた話です。
これ以上はノーコメントで(え
さらば(オイ


閉じてください


















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